ウェアラブルはIoTの夢を見るか?メイカーズの新潮流をSXSW 2014で体感する。
一週間に及ぶSXSWツアー(オースティン、テキサス)からサニーベールに戻ってきた。
全体を俯瞰すると、やはり前評判の通りウェアラブルデバイスとクラウドファンディングは最も盛り上がったテーマだった。また、昨年以降話題を呼び続けている3Dプリンティングやドローン、ロボットなども多くのセッションで扱われていた。
個人的には、なかでもクラウド・ファンディングと3Dプリンティングを巡る状況が最も面白く映った。特にベンチャー向けのイクイティ・ファイナンスがクラウド・ファンディングの仕組みとして組み替えられ、現実に稼働し始めているのは物凄い事だと思った。
エンジェル投資を効果的に集める仕組みが、それこそマザーズ市場(日本の新興市場の名称)への上場程度のスケール感の資本獲得がクラウドファンディングで獲得出来てしまうのだから。個人資産の制限枠や総額規制は有る様だけど、それでも巧く駆使すればマザーズ規模のファイナンスなら十分に実現可能なのだし、しかも複数回継続して出来るのだ。
これは、もしかすると「会社」ってモノの成り立ちやそれへの投資にまつわるリスクヘッジの有り様、個人がいかにして急速に新しい破壊的な創造(新しいエコシステムの創造!)を行えるのか?のメカニズムを大きく書き換える気がするのだ。きっと証券会社やベンチャー・キャピタルにとっても驚異的(=脅威的)なムーブメントになり得るだろう。
そして、3Dプリンティングは本質的に生産や流通のメカニズムを再創造するのだろう。今までの物づくりの「粒度」や「速度」や循環の仕組みを根本から変えてしまうのかも知れない。欲しい物をどのようにして手に入れるのか?が、デジタル化され、ネットワーク化され、それこそ欲しい物が物凄くパーソナルにリメイクされるシステムが目前なのだ。
そして、それの具体的なケーススタディがドンドン出てくることによって単体のプリンターそのものよりも、それがどういうビジネスを創出するのか?を問われる時代に移行しつつ有る。かつてDTPがプリンターとスクリプト言語だけでなく、それを支えるサービスや商流や様々なシステムとも伴って同時並行的に進化をしてきた流れと同じ様なものなのだけど、規模と影響する範囲は桁違いのモノになるだろう。
そういう息吹に直接触れられるのはSXSWの醍醐味だけど、正直言って一日何時間在っても時間が足りないし、相当計画的に情報収集して意図的にサマライズしない限り全く役に立たない。SXSWの使いこなしも、もっと戦略的にやらないともったいないだろうと思い始めた。
SXSW 2015インタラクティブは恐らくIoT(Internet of things)を巡る生態系のリアルタイムレポートの場になるだろう。
そうそう、上で述べた3Dプリンティングの新商流を支えるのもきっとクラウド・ファンディングなのだ。
そういう意味ではウェアラブルもドローンもロボットもクラウド・ファンディングの恩恵と共に大いなる成長を遂げるのではないだろうか?テレパシーワンが、そのムーブメントのなかで大きな役割を果たせるように益々開発に集中したい。