以心伝心記

Technology is anything that wasn’t around when you were born.

起業家は海を超えるべきか?

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ファーストペンギンさんの取材を終えて。

海外に進出する必要があるのか?という問いかけについて。

そもそも、海外市場に進出しないのはナゼだろうか?進出しないというチョイスが果たしてあるのだろうか?では、進出しないことの理由や根拠ってなんだろう?
例えば、電力を発明したとする。それが電話でも、電車でも、はたまたラジオでもテレビでも良いけど、それが自国内の普及だけで良いと思ったりするだろうか?
あるいは映画でもオーディオでも何でも良いけど、それこそパーソナルコンピュータを発明したとして、それを自国内の利用に留める理由があるのだろうか?
どう考えても国内の普及で良いはずがない。それを為さないのは想像力の欠如以前に、誠意とか良心の欠如ではないだろうか?
世界にとって価値のあるものを自国内のみに留める積極的な理由が思いつかない。
では、逆に、それがとっても大変なんだ!という側面から考えるとして、では、それはどの程度大変なのだろうか?
たとえば進出コストがかかるとか、言葉が通じないとか、様々な制度の違いとか習慣の違いとか、生活レベルの違いとか、資金獲得の困難性とか、でも、それが本質的根源的に物凄く大変かというと、どうもそうは思えない。
言語は学習すればよいのだし、制度や習慣は慣れれば良い。生活レベルというのも要は慣れだろう。そういう意味では、資金獲得も同じく慣れの問題でしか無い。もし、それらが大変というのなら、その大変さを乗り越えるための工夫や努力の問題に分解還元すれば良いだけに思える。
じゃあ、国内から海外へという流れはどうだろう?
でも、それはそもそも大変さを増すだけのように思える。国内に最適化された製品は海外に輸出することが大変だ。国内のチームや資金だけで世界規模の製品普及を成し遂げられるだろうか?才能も人材も技術も国内に限定することには、非常なリスクが有るだろう。
それを乗り越えるためにこそ、国内の限られたアセットのみに依拠せず、世界規模の良い人材、技術、資本、支援を益々手にするべきだろう。その為のスタディとしても、国内に逗まらずに世界に向けてドンドン出て行くべきだ。それは論を俟たない、当然の行動だと思う。
そういった切磋琢磨や創意工夫をお互いが共有し、高め合う起業家環境を創造することには強く惹かれる。それをせず狭い国内に留まることを正当化し、お互いを慰め合うような消極的な姿勢には意義を覚えない。それは自らの発明の価値を自らの行動圏内のみに留めるエゴイスティックな考え方だと思う。