以心伝心記

Technology is anything that wasn’t around when you were born.

シリコンバレー起業物語 Inspired by "My Job As A Pre-Launch Startup CEO Was To Buy Sandwiches"

今、テレパシーはシリコンバレーと東京中心にビジネスを進めています。しかし、その原点は頓智ドット時代の「domo」アプリ開発中に経験したベイエリアでの起業体験が元になっています。その頃に書いた頓智在籍時代のブログを発掘して来たので、ここに再掲します。

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どうやったら凄いスタートアップを素早く立ち上げられるのか?これは世界規模で新しい価値観を届けたい!と思っている起業家にとっては永遠の課題だと思います。

TC50 以来の知古 Seth Sternberg( Meebo CEO )は「スタートアップCEOが最初にやるべきことはサンドイッチを買うことだ」と、なかなか示唆的な記事を寄稿しているのですが( スタートアップの立ち上げ前、彼の仕事はサンドイッチを買うことだった... )、スタートアップを果たしてどこから始めるのか?というのは思ったよりも大きなテーマです。

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IVS 2011 Springではシリコンバレーパネルに参加したのですが、時間の制約も有って突っ込んだ方法論には踏み込めませんでした。で、もしも、"どうやってシリコンバレーで成功するベンチャーを作るのか?"を考えるのであれば、(東京で始めるよりはいっそ)シリコンバレーで起業するのは非常に理に適った方法ではないかと考えます。

そのエコシステムへと入って行く為には、まさに「そこに住み、そこで人を集め、そこでお金を集め、そこで仕事をする」ことが最も近道であり、最もディープにコミットすることが出来ます。

我々のチーム(当時は頓智ドット)は、この春(2011年です)サンフランシスコを拠点に動いていたのですが、ベイエリアはスマートフォン×ソーシャルの起業をするエリアとしては非常に適していますし、そのための拠点には事欠きません。

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例えば、下のブログに簡単に記事化されているように Co-Working Space を利用するのは、最もスピーディで効果的な方法ではないかと思います。サンフランシスコSOMA界隈にはこういったシェアリングオフィスが多く、単に便利なワークスペースというよりはもっと刺激的で競争的なコミュニティを形成しているのです。

まさにそれ自体がフレネミー(Friend&Enemy)の競争&協力の環境をかたちづくっていて、日々休むこと無く新しいイノベーションが起こっています。

http://www.backlog.jp/blog/2011/05/post-15.html

ブログに掲載されているのは下のようなスペースなのですが、僕達は Rocket SpaceとDog Patch Labs およびそのご近所の ParisSOMA に出掛けて体験した後、Dog Patch Labs のお隣にある Opinno にベースキャンプを構えました。

The Hub SOMA

Citizen Space

Dog Patch Labs

Rocket Space

Next Space (今はこの辺りのオフィス事情は大きく変わっています。テレパシーはWeWorkやHatteryを活用していますし、Hubの活動も非常にアクティブです)

これらのスペースはそれこそ(場所により条件は異なりますが)時間借りも出来ますし、ビジネスの成長に応じてプランを使い分けることも可能です。

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たとえば、Dog Patch Labs と我々頓智が借りた Opinnno および Socialmedia は同じ「Pier38」にあるのですけど、基本的には本当にシードの段階のスタートアップ向きです。

たとえば CEOとCTO だけ!みたいなガレージな段階が合っている様に感じます(例: Instagram はここ=Pier38の卒業生です)。僕達もごく少数で入居をしていたのですが、ちょうどサービス開始した Yobongo チーム(コアの二人が始めたばかりの初々しいチームでした)と日々切磋琢磨していました。

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あの Uber Car などが入っている Rocket Space はそれよりもう少し成長した、ラウンドA以降のスタートアップが合っている様で、実際インテリアやオフィスのムードもPier38のスペースよりは落ち着いて静かです(Pier 38はそれに比べるとかなり混沌としています)。

ただ、とにかく重要なのは場所や箱とかじゃなく、あるいは会社としての体裁などではなく、熱いアントレプレナーががむしゃらに新しい(世界を変える可能性のある)製品を抱えて走り続けていることであり、これらの場所で、そういったクレイジー起業家たちが夢中に製品を作りまくっていることなのです。

それは目先の利益追求と言うよりは、もはやある種の社会運動ではないかと感じます。アントレプレナー達は社会活動家のやっていることをもっと先鋭的に企業活動として繰り広げているのではないかとさえ感じます。そういったムーブメントの最中で活動することで得られるアクティビティがある。そういった視点で見てみると、新規ビジネスをどこから開始するのか?は別の価値観・価値基準での考え方があると思うのです。

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そして、なかなかニュアンスの伝わり辛いシリコンバレーの生態系、個人的には先ほどの「フレネミー」という言葉が非常にしっくり来るのですが、競争と協力が常に繰り返されている独特のエコシステムを理解するには、こういった場所で短期間でも良いから働いてみることが最速なんじゃないか?とも思います。

とにかく出掛けて行って、交渉してみて、都合良く場所が手に入ったらどんどん臆せず対話してみる。何かお互い出来そうなことを語り合ってみる。それだけで世界観は相当変わると思います。あるいは、「会社」や「組織」、「事業」や「起業」の捉え方、考え方がガラッと変わるかも知れません。

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そう、"行動することで思考は変わる"んです。考えることで変わることよりも、もっと本質的にマインドセットが変わる可能性があります(競争を通じた淘汰への抵抗ですから真剣にならざるを得ません)凄いことを始めるには凄い場所に出掛けてみる。そして、凄い場所で働いてみる。そういう方法を一度検討してみてはどうでしょうか?(百聞は一見にしかず!です)