TEDx Kyoto のスピーチ初稿(没原稿)です。こういうことを考えながら、日々製品開発をしています。
我々のウェアラブルデバイス Telepathy OneはGoogle Glass と比べられることが多いのですが、今回は競合製品としての話ではなく、我々ならではの世界観をお話したいと思います。
21世紀のインターネットによる産業革命は情報爆発と、新しい社会的関係性をもたらしました。インターネットとソーシャルネットワークのお陰で、世界の情報量は爆発的に増大しましたし、社会的関係性がどんどんオープンに共有されつつあります。
なかでも、Googleはサーチという方法論によってウェブを簡単にアクセス出来るようにしました。Facebookは、ソーシャルネットワークによって人類を相互にオープンに結びつけつつあります。Apple は iPhoneやiPod によってそれらを持ち運び可能にし、とても簡単に操作出来るようにしました。
ポストPCの時代はあらゆる情報に、だれでもどこでもアクセスできる環境を実現しつつ有ります。
サーチやモバイル、そしてモビリティの技術革新であらゆる情報に繋がるようになった人類は、やがて固有の、そこにしかない情報にアクセスすること必要性を感じつつあります....。
それは目の前の現実の理解であり、目の前の人々との結びつきです。いつか、どこか、だれかにはアクセスできるようになったのですが、目前の現実、目前の人々へのアクセスは決して簡単なことではありません。
そこにこそ情報革命のフロンティアがあります。
目の前の人がどんな人か分かるには、会って話すことが一番早いです。ところが、皮肉なことに、ウェブやソーシャルネットワークに比べると、現実世界での現実の人々へのアクセスやシェアは簡単ではありません。
モバイルデバイスがあることで、却って目の前の大切な現実や大切な人々との繋がりやコミュニケーションはむしろおざなりになっているとも言えます。
そもそも我々がつながっているインターネットの向こう側にあるのも本当は現実の世界であり、現実の人々です。その間(仮想と現実の間)には大きなギャップが有るようです。リアルとバーチャルの間の大きな裂け目が観えます。
できることなら、そこにいるリアルな人々ともシームレスに、目の前にいなくてもお互いが分かり合えると素晴らしいなと思うのです。
HereとThereの世界をコネクトすること。リアルとバーチャルをシームレスに繋ぎ、共有し、コミュニケーションすること。
Here,There and Everywhere
こういう世界観をテレパシーワンでは追求しています。
ロンドンでのAirBnBでの出来事ですが、ロンドンでチャリティを通じてアフリカの貧困層の少年少女の教育をなんとしようとしているホストの男性とテレパシーのテクノロジーについて夜の三時までえんえん語り合いました。
そこでわかったのはお互いが共に同じ目的を目指していることです。テレパシーは今此処と向こうをリアルに繋げてお互い分かり合えるようにしようとするデバイスです。
それは彼の理想に大きく貢献できることが分かりました。それは実に素晴らしい体験でした。全く離れた場所で自分のテクノロジーが、本来全く関係のなかった篤志家の情熱に大きく作用することが分かったのです。
でも、我々はそれを分かり合うのに3時間掛かってしまいました!それは、きっともっと短くできると思うのです。テレパシーでは、それを三時間ではなく三分できないのか?そういう理想を持って製品開発に取り組んでいます。
Here,There and Everywhere
2011 3/11オースティン、僕はSXSW2011に参加するべくテキサスのオースティンに降り立っていました。
その瞬間、東北大震災が起こりました。そこから燎原の火のごとく起こったSXSWのムーブメントは素晴らしいものでした。誰かが指示すること無くあっと言う間にシンポジウムやチャリティ、募金活動などあっという間に支援活動が始まり活性化して街全体を動かしました。
SXSWはその場で即時東北支援に立ち上がったのです。それは二度と忘れられないネットとリアルの融合でした。
そしてもし、その震災時にテレパシーがあったら!そうすればそれらの多くの支援活動はもっとリアルに東北の大変な状況と対応出来たでしょうし、よりリアルに力になることが出来たのではなないか?と思うのです。
かつての情報経済は、それを出し惜しみして守りを固めることで成り立っていました。それは希少性の経済でした。それは、いま過剰性の経済、つまり情報爆発の結果、いかにそれをオープンにシェアし、より巧く使いこなすのか?の時代へと突入しています。
そこでの原則はギフトの経済、つまり与える者にどんどんリターンが戻ってくると言う、「返報性」の原理原則です。
人は良い行為にはさらに良い行為で報いようとします。テレパシーはそういう時代に、そういう時代の価値観を育んで生まれた最初のデバイスになりたいと思っています。
お互いが瞬間的にお互いを理解し助け有ることが出来る製品。そういう製品を私は現実化したいと思っています。
Thank you all!!
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English Version is hereto..
Hi my name is Taka (Iguchi). I'm currently developing a wearable device called Telepathy One ...
We are often compared to Google Glass. Today, I will speak, not as a competitor, but our vision for the world.
Connect Real and Virtual
Thanks to the internet and social network there was a burst of content. And it’s shared openly .
By search, Google made it easy to access the web.
By social network, Facebook openly connects people
With iPhone and iPod, Apple made these easy and simple to access.
In the post PC era, anyone can access any information anywhere.
Thanks to the technology innovation, we are connected to tons of information. We want to access information that is relevant to us.
To understand the reality in front of us, and to connect with the person in front of us. It's easy to access this information sometime, somewhere, by someone, but it's not easy to access information about the person who is in front of us live.
This is where the information revolution frontier lies.
To understand the person in front of us, the quickest way is to talk to them.
Unfortunately, compared to the web and social network, our communication in person isn’t always as straight forward and intimate.
See this everyday? Connection and communication with the person in front of us is forgotten.
On the other side of the internet is the real world and real people. As human beings we always want to connect. There is a huge gap. Gap between real and virtual.
It'll be great if we can quickly understand each other even if these people are not right in front of us.
To connect the world that's HERE and THERE. Connect real and virtual share and communicate easily.
Here,There, Everywhere
Telepathy One is exploring this kind of world.
Here, There, Everywhere
3/11/ 2011, Austin. I was in Austin Texas for SXSW 2011. That's when the earthquake happened in Japan. SXSW community organically came together. The whole city got involved. Voluntarily.
SXSW immediately got mobilized to support the relief efforts. It was a remarkable connection between the real and virtual.
What if Telepathy was available during the earthquake? If people had Telepathy, we would be able to understand the situation in the disaster area immediately, and provide specific support in real time.
The traditional information economy of limiting and protecting information is dead.
We are entering the era of open sharing, intimate, straight communication.
The Gift Economy. Those who give, also get back. Good deed, responded with good deed. Telepathy will be the first device born out of this world.
Connect Real and Virtual.
Understand and help each other. Build communities. This will be Telepathy One.
Thank you all!!