もしかすると、みんなもうITに飽きているのかも知れない - 新しいメーカーは新しい人間が作るだろう
11/15のTechCrunch Tokyoで強く感じた事。もしかすると、みんなもうITに飽きているのかも知れない。
今回のスタートアップ・バトルでも大きな評価を受けたのは乗物でした。もはや多くの人たちがソーシャル何とかやクラウド何とかに飽きかけている兆候ではないでしょうか?本物のパイオニア精神が、既にソフトウェアの重力圏から飛び出そうとしている気がします。
ソーシャルネットワークでは、facebookの創出した生態系が世界規模で多くを覆ってしまいました。このままでいくとO2Oのリアルワールド系システムもそのまま持って行かれるかも知れません。
一方「物作り」は、例えばアンドリーセン&ホロビッツや500スタートアップス、あるいはYコンビネーターなどは意識的に避けています。あるいは避けざるを得ないモデルで動作しています。
ハードウェアは時間が掛かるし、リスクも高いから避けた方が良いとずっと言い続けています。逆に言えば、「ここは危険だ。ここはヤメておこう」というのは寧ろ良い兆候だと言えます。(テスラはシリコンバレーのど真ん中の新興企業ですし民間初の宇宙飛行船のSpaceShipOneに出資しているメンツも同じ様な顔ぶれが多いのでハードウェアはシリコンバレーの範疇外だとは言い切れません。しかも、GoogleやAmazonはもはや純然たるメーカーなのです)
もしかするとハードウェアメーカーの囚われと同様にソフトウェアベンダーも思考の枠組みが強く制約として働いているかも知れません。
凄くピュアな話をするなら、そもそもみんなモノ作りが大好きなのではないでしょうか?新しいアイデアでハードウェアを作り出す事に対して強く惹かれているのではないでしょうか?
KickStarterのお陰もあってアプリケーションの側からの発想で新しいデバイスを構想する事は、既に絵空事ではありません。グーグルがAndroidを、アマゾンはKindleを、それぞれ開発した頃の違和感はもう存在しません。
新しいプロトタイプのアイデアをその場で成形する事は本当に即座に試せる状況に有ります。しかも最小単位で製造組み立てして顧客宛に届けるリーン的な製品のデリバリーもバリューチェーンが解放されつつある昨今ではリアルに試せる事です。
むしろ製造業の囚われが無い分、より自由なアイデアを試行錯誤出来る、非常に良いポジションにいると言えるのかも知れません。
しかも、それをオンラインでマーケティングして直接販売する環境は目前に有り、その使いこなしは良く分かっているのです(既存メーカーの場合はまさにその使いこなしが大の苦手です。そもそもクラウドもソーシャルも残念ながら100%分かっていません。
既存の流通経路のシガラミも強く、工場や人材の面でも多くの負債を抱え込んだ状態に陥っています)。ゼロベースで考える時、新しいメーカー像を新しい視点から捉え直せば、非常に多くの面白いアイデアが出て来る筈なのです。恐らく新しいメーカーは新しい人間が創造するのだろうと思います。