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以心伝心記

Technology is anything that wasn’t around when you were born.

「すでに見たものでなく、すでに繰り返されたことでなく、新しく発見すること、前に向かっていること、自由で心躍ること」

 

「すでに見たものでなく、すでに繰り返されたことでなく、新しく発見すること、前に向かっていること、自由で心躍ること」

 

これはコムデギャルソンの川久保怜が発した言葉です。とても示唆的で勇気の出て来る素晴らしい言葉です。

 

「良い製品だから普及した」よりも「普及したから良い製品」の方が現実ではないか?プロコン的(コンサル的)分析を優先して製品開発を進め、そこから革新的な製品が出て来る機会は余りないでしょう。

最初は全くの未知数だとしても、懸命に新領域を切り開くときこそ起業家が起業家たるアニマルスピリッツの発揮しどころです。

 

新たなデファクト製品が生まれる機会はどこにでも潜んでおり、それらを産み出しうる初期状態は非常にフラクタル(予測不能なランダムさに満ちている)です。

新製品はそれ自体リリースされる事で製品の置かれた環境そのものを書き換えることがあります(ジョブズの率いていたアップルは、常にそういった自らが市場環境を書き換えられる状態に身を置いてました)。

そして、市場が動いているときは、受動能動に関わらず同じ製品デザインだとしても(市場環境次第で)世の中の評価が大きく書き変わる事も多発します。

現時点のスマートデバイスの世界がまさにそうで、アップルの挙動によって他社まで話題が盛り上がる事例は枚挙にいとまがありません。モバイルは未開の沃野です。

 

拡張現実製品も全く同じで、プロコンで眺めても分からない新しい価値観を市場でリリースし続ける事で、その競争環境そのものが大きく変化する。そこで独自価値を提供できる存在になる。アップルは、確かに偉大で強大ですが、全方位的に無限大の開発能力を持っている訳では有りません。

自分自身、「現実空間でのソーシャルファインダビリティ(サーチは不要になる。現実空間そのものがメディアになる)」に非常な魅力を感じています。なぜなら、現実空間でアドホックに出会い、繋がり、共感・共有する。このコミュニケーション過程に非常に魅力を感じます。そこから発生するソーシャルレコメンデーションやソーシャルフィルタリングに、とても大きなポテンシャルを感じます。

 

位置情報系サービスも拡張現実サービスも、それぞれ死屍累々の世界です。ただ、我々がそのなかで独自のユーザーエンゲージメントを提供することは(速度感の物足りなさやシリコンバレー勢とのコネクティビティの脆弱さなど、まだまだ気になる課題はありますが)十分に可能だと確信していますし、それが提供可能なインフラ環境にようやく到達しつつ有ると感じています。

人と人が出会い、そして新たなコミュニケーションを通じて共感共有出来る環境を現実空間上に創造すること。少なくとも、それは世界をより刺激的で驚きに満ちたものにしてくれるでしょう。

 

「すでに見たものでなく、すでに繰り返されたことでなく、新しく発見すること、前に向かっていること、自由で心躍ること」。これを追い続けて止みません。