以心伝心記

Technology is anything that wasn’t around when you were born.

物語体験装置としてのテクノロジー商品を考える(メモ)。

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新製品について、とても悩んでいる。
 
今までにないタイプの製品を生み出すときの懸案事項は「その価値をどうコンシューマーに理解してもらうのか?」だけど、そもそも提供価値そのものが新しい場合、をその価値を知らない人にデリバリーするのはまったく簡単なことではない。
 
そこで考えたのは「それが何が出来るのか?」を特にコミットしない製品提供のスタイルだ。
それは、何らその製品の機能や性能などの約束をしないという考え方だ。
 
つまり、何が起こるか全くわかりません!という、価値そのものの提示を購入者の想像力に任せるという価値提示の仕方。または、その想像力を刺激する方法として、それぞれの製品が個々個別に全く異なるものかもしれない、という世界観が提示できる。
 
要するに「いったいそれがどういう存在なのか?そして、なぜそこにいるのか?」という問いかけと謎解きが存在することで、凄く面白いの製品になるのではないか?結果として、その製品を手に入れたユーザー同士が、その謎解きそのものをお互い共有できるようになるだろう。
 
そういう価値観で製品を考えることで、製品自体が(製品を巡る)物語の世界内存在であるかのような臨場感を感じることができる。その製品を通じて、その物語世界に入っていけるようなそんな価値観を通じ製品体験を楽しむという、新しい楽しみ方が提示できるかもしれない。
 
そうすると、その製品をつうじた製品を巡る物語体験そのものが、その製品の価値の中心になる。
 
まるで電脳コイル攻殻機動隊、またはガンダムエヴァのなかに出てくる装置やメカニズム、ロボットなどを、まさに手中にしているような感覚が得られるだろう。
それもギミックではなくその物語世界中の実物を手に入れ、本当にその物語空間内を生きているような体験が、もしも獲得できたとしたらどうだろう?
 
たとえばドラゴンボールに登場する私企業「カプセルコーポレーション」が本当に実在し、ホイポイカプセルを本当に手にするだけでなく(もし出来たら本当に凄いですね!)現実に実在するカプセルコーポレーションカプセルコーポレーションは漫画内の存在ですが)の研究者や経営者たちと何らかのプロジェクトを共に楽しんでいるような感覚。
 
あるいは、ヘルスケアロボットのベイマックスが実在し、主人公のヒロが生きている世界の内で本当に、共に生きているような感覚。もしそういった世界観の提示と享受が出来たとしたらどうだろう?それはきっと素晴らしく刺激的な未来に違いない!そんなことを考えながら、日々製品開発を進めているのです。
 

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と思ったら有名なヒューマノイドロボットのNAOのUNBOXING見ると、既にそういう感覚が発生している気がしました。実にSF的な感覚が満ちていますね!そう、僕達はもう既にSF世界の住人なのです。

https://www.youtube.com/watch?v=qPjVMYWRlGY