以心伝心記

Technology is anything that wasn’t around when you were born.

サンフランソウキョウを心から愛する。

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サンフランシスコと東京に住んでいます。

SekaiCameraをTechCrunch 50で発表したのが2008年。TelepathyをSXSWで発表したのが2012年。いまはDOKI DOKIという始まったばかりのスタートアップで、IoTデバイスを開発しています。

 

サンフランシスコと東京、テクノロジーの世界的二大巨頭。そして、世界でも最も物価の高い都市。ディズニーの映画「BIG HERO SIX」では「サンフランソウキョウ」として、まとめて描かれたこの二都市は太平洋を挟んで極めて近く、同時にとても遠い不思議な関係にあります。

非常に個人的な印象なのですが、サンフランシスコでは東京はとても精神的に受け止められているように感じます。そして、一方、東京ではサンフランシスコは極めて物質的に受け止められているように感じます。

 

偶然フェリービルディングで出会った、音楽家とその奥さんと盛り上がったのは、ハルキとミシマについての話題でした。サンフランシスコでは、そういう事態は、あまり珍しくありません。

一方、東京でよく尋ねられるサンフランシスコ(多くの場合はシリコンバレーと混在している)のポイントは、テクノロジーを集約・集積した施設や団体についての「どこが中心なのか?」という疑問です。ところがサンフランシスコには、そう言った具体的な、何か分かりやすい「存在」は見つけ難いでしょう。

僕の目には、東京は、極めて即物的な消費文化のダイナミズムを体現しているように見えます。そして、サンフランシスコは、禅的な美意識やヒッピー・カルチャーに代表されるオルタナティブ性を宿した、極めて精神的な場所に想えます。東京にいると消費に強く向かう引力を感じる一方、サンフランシスコは重力を失った、とても思索的な空間の様に想えます。

 

映画「BIG HERO SIX」のケアロボット「BAYMAX」は、とても礼儀正しく、律儀で丁寧です。彼は日本的な労わりや癒しの精神と、カリフォルニア的なギークイズムの集大成のようです。

また、その舞台になった「サンフランソウキョウ」は、トーキョーの持つチャーミングな魅力をサンフランシスコに美しく散りばめた、理想都市として描かれています。

巨大な社会的ストレスやクラスター同士の軋轢を抱え込んだのがサンフランシスコの現実です。だからこそサンフランソウキョウは想像のユートピアとして、限りなく幸せな世界に描き出されているように感じられます。

テクノロジーのユートピアを願ってやまない、しかも、東京とサンフランシスコを愛してやまない自分です。ベイマックスとサンフランソウキョウの描き出す世界は、いつかは叶えたい未来の姿です。だから、この住みにくいサンフランシスコに住んでいるとも言えますし、たまには東京に戻れる良さも十分に有る!と、言えるのだと思います。

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From San Fransokyo with Love. — Medium