創造的プログラミング序説(草案)
創造的プログラミング。現在の生産的(時間内の生産効率を上げることが最上の価値)ではなく創造的(独自価値で創造的表現を行うことを主要な価値にした)プログラミング。
製品性のキーワードは、かつての”便利さ”(計算が速いとか、手間が減るなど)から快適性(使い勝手が良い、体験性が優れているなど)に移った。
が、それはやがて”創造性”の表現に移っていくだろう。もはや、ひとは便利や快適では動かなくなりつつある。創造的表現としてのプログラムは新しくて旧い。なぜなら、創造的行為そのものは非常に長い歴史を持っているからだ。
プログラムの本質的な醍醐味は、何かを完璧に支配することに他ならない。
コントロールとエディット。やりたいことを意の向くまま表現する。それを極めれば、神様のような支配ができることが最も望ましい。「光あれ!」というコマンドで暗がりが明るくなることも創造的な表現になる。
何かをコントロールできること、そして思いのままエディットができること。これらを追求することは、もはや便利や快適を超えた創造性の領域になる。
創造性に重きを置いたプログラミング。創造的プログラミングは今後の大きなテーマになるだろう。従来は子供の教育的情操効果に注意が払われていたものが、いまや大人もそれを楽しめる世界がやってくるだろう。
従来、プログラムはまずは生産性、すなわち便利さの実現をいかに効率的効果的に行うのか?が主要課題であり続けた。
それがやがて、快適な環境上で、利用者(自分が最初の利用者だ)に快適性をもたらすということが大きな課題になった。それはつまり便利さや生産性の追求が陳腐化した、自然な結果だと言える。
であるなら、当然ながら快適な環境上で快適な体験をもたらすことに集中する世界すらも、やがてより高次の次元。つまり、創造的な環境で創造性の表現(独自の表現を思うままできる世界)を最も大切に考えるプログラミングが台頭するだろう。
それは、比喩的に言うなら「発明家の世界」から「魔法使いの世界」へと飛躍することに他ならない。
そして、いまや、その魔法使い達はコンピューター画面内の活躍に留まらず、現実世界の物体さえ巻き込んだ魔法を使える世界に住んでいるのだと言える。それがIoTと結びついた、新しいプログラム言語の創出に強く惹かれる理由でもある。