読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

以心伝心記

Technology is anything that wasn’t around when you were born.

「生きたお金」を考える - クラウドファンディングの本質的価値はどう進化を遂げていくのだろか? -

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせである。」

 

これは名著「アイデアの作り方」のなかでジェームズ・W・ヤングが語った言葉だ。

 

例えば、「eコマース」はインターネットと個人決済と宅配サービスなど、本来別々の物が新たに結合した発明物だ。それらは予定調和的に結合された訳ではないし、誰かが用意周到に準備した訳でもない。

2010年代に著しく進化を遂げたドローン、オートマチック・カー、ロボット、ウェアラブル、そして今後、ますます伸長するIoTデバイスなどのハードウェアは、インターネットと結びつくことで全く新しいビジネスを可能にするだろう。

 

それはきっと、思いがけない結合による新発明になるだろう。

 

現在、多くの発明、特に新しいハードウェア群の多くはKickstarterなどクラウドファンディングを経由して生まれている。

これはまさに注目すべきことだ。OculusやPebbleなどのハードウェア製品を筆頭にジャーナリズムやエンターテイメントなど多くのプロジェクトが資金獲得して世に送り出されている。

 

f:id:roadracer:20140701141602j:plain

未完成のアイデアに対して、十分な資金が非常に早い段階で供給される。クラウドファンディングで実現されていること。それはまだまだ未熟ながら、これから訪れる新しいインターネットの形を切り拓きつつある。

 

それは初期的「アイデア」がそのまま「資金」に繋がるという、非常に新しい出来事だ。 

 

ここで極論を言ってしまえば、「あらゆる問題解決が瞬間的に、集合知的に解決される」状態に向かっているのだと思う。

 

eコマースがかつてオンラインで創出した新しい商流は、今ではリアルの商活動を書き換えつつある。

サンフランシスコ市内のあちこちで見かけるAmazon FreshやGoogle Shopping Expressの配送車は、それを如実に物語っている。

 

あれらのデリバリーが自動運転に切り替わるだけでなく、ロボットやドローンにも切り替わるのは直ぐにイメージできるだろう。

あるいは、3Dプリンティングで直接(情報化→物質化)転送されることも、決して遠い未来の話ではないだろう。

 

そして、クラウドファンディングの価値観がもたらす破壊的な価値は、それらのリアルの世界に於けるインターネット的現象を後押しする、巨大な力になると思う。

 

「あらゆる問題解決が瞬間的に、集合知的に解決される」状態とは、つまり「瞬間的なクラウドファンディングによって必要とされる物が瞬時にもたらされる」様な社会ではないか?と想像する。

 

さて、「瞬間的クラウドファンディング」をアイデアとして推し進めると、例えばこういうことではないか?と思う。例えば、それは「支払い」という概念を書き換えるかもしれない。

 

要するに、今までは「サービスや物品の購入時に」「購入者がリテールやサービサーに対価を支払う」という構図だったのが、「ニーズを持っている購入者のデマンドに対して」「支援者が瞬間的にクラウドファンディングを行い」「そのファンディングされたお金が、その商品やサービス提供者にもたらされる」そんな構図に変わるのではないか?

 

支払いの瞬間にクラウドファンディングが実行される世界を想像してみる。

 

一般的に支払いの決済は現金以外の部分では将来支払いの信用度に応じてクレジットされる。そして、そのような支払い方は今後ますます広がるだろう。

 

何かのニーズやデマンドがあって、何かを得たいという時、それに対してクレジットされるのは、今まではその人に期待される労働の対価だった。信用力=支払い能力という構図だった。

それは生産能力と労働時間に応じた、固定的な期待収入を当てにしたものだった。

それが、やがて、その瞬間瞬間にクラウド的に裁定出来るとしたら、それはいったいどういうお金の流れを生み出すのか?というのが自分自身の問題意識だ。

 

f:id:roadracer:20140701141621j:plain

 

「生きたお金」ともいうべき存在があり得ないだろうか?とイメージを広げたく思っている。

 

初期的「アイデア」がそのまま「資金」に繋がるというのがクラウドファンディングの目覚ましくも素晴らしい成功例だとして、それがより細分化され、期間短縮され、そして日常の様々な場面で応用される。

それを考えるとき、お金の動き方、使われ方、生かされ方が大きく変わるのではないか?と想像する。例えば、実装パターンとしてはクラウドファンディングビットコインと繋がり、個人消費のそのタイミングで動くようなメカニズムなど考えてみると面白いだろう。

 

ここに書いたのは非常に未熟な洞察に過ぎないのだけど、今後のアイデアの精錬に備えて、ひとまず現状のイメージとして書き留めておきたく思う。

似たような、でももっと具体的で実現性の高い、面白いビジネスアイデアを考えている人が多くいることを期待して。僕らが日々普通だと思っていたことも、過去にはあり得ないようなことだった。数年から数十年でお金の循環が大きく変わるとして、そこで行われる営みは僕らの今のライフスタイルとは大きく異なったものになるのではないか?