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以心伝心記

Technology is anything that wasn’t around when you were born.

ハードウェアデザインと終わりのないイノベーション

ここしばらくの間の出来事は、もしテレパシーが非常に大きな成功を収めたとしたら、確実に歴史の1ページに残るだろう。まだ、出来てから実質1年も経っていないハードウェアスタートアップでも「イノベーションのジレンマ」は起こるという極めて有効な実例だ。

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テレパシーは創業して直後に最初のヘイローデザイン(天使の輪デザイン!)を生み出して好調にスタートを切った。でも、多くの点で改善改良の余地があった。詳しくは述べないが装着感覚と操作性を考慮したデザイン上のジャンプが必要だった。結果としてそれは非常な難産の末に克服出来たのだけれども、そこに至るまでは過去の達成成果を否定する産みの苦しみだった。

もちろん今は誰もがウェアラブルのデザインのスタンダードを知らない。既にグーグルグラスは偉大な達成を成し遂げた。あのデザインは多くの知恵と工夫の総決算なのだ。それは同時に、その先行者の偉大な成果を乗り越えるための次の山への登頂を意味する。それはグラスと言う全くの新ジャンル・ハードウェアを踏み越えようとする、ある意味グーグル以上の意思意欲が欠かせないだろう。

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それはドン・キホーテ的な無謀な試行錯誤だろうし、フランスからドーバー海峡を泳ぎ切ってイギリスに至る(先の見えた)旅などではなく、対岸の見えない暗中模索の冒険紀行だ。だが、少なくともテレパシーはその困難なプロセスを克服して、ひとつの山の頂きに登った心持ちがしている。チームにその手応えが得られたことは確かだし、その成果は遠からず現実の製品としてお届けすることが出来るだろう。

だが、改めて強く思うのは、いかなるデザインも"最初の一個"を生み出すのは本当に想像を超えた、極めてリスキーな挑戦を含んでいるということだ。「我々はスタートアップなのだから、それが容易に可能なのだ」などと簡単に思ってはいけない。その限られたリソースやアセットの制限内で、先の見えない高い頂きを登り続ける勇気は簡単には得られない。良いチームワークの中でも、危険と思われる賭けはそうそう簡単に了解受容されない。

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もちろん、その最高のチームワークは作り出せるものだし、テレパシーもそれをどうにか形にしつつある。が、それが容易に即刻出来ると思っては大間違いなのだ。「創造性のマネージメント」と言う視点から考えても、結果・結論の存在しない道筋を極めていく探索のプロセスは決して容易ではない。それをいかに"安心感と納得感"をもって進められるか?この解決プロセスでの経験と蓄積は簡単には得難いものだ。自分は、いつの日かどこかで今回のデザイン・プロセスを改めて振り返ってみようと思う。当然、その時には、テレパシーは既に大きな成功を収められているだろうと思っているのだけども、そこに至る迄にはまだまだやるべきことが幾つもある。

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