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以心伝心記

Technology is anything that wasn’t around when you were born.

本質的に"強い製品"を考える。インタレストが人の購買行動を変える時。

f:id:roadracer:20120226183429j:plain Square

"強い製品"って何なのだろうか?美しい製品?クールな製品?使い勝手の良い製品?スマートで賢い製品?洗練された製品?新しいアイデアのある製品?驚きのある製品?心に響く製品?テクノロジーの詰まった製品?iPhoneが2007年に登場した当時、あれがスマートフォンの生態系をここまで変革する事を予想した人間はほぼいなかった。

多くの議論は「スペック(の貧弱さ)」「デザイン(と引き換えの使い辛さ)」「多くの普及製品との比較(高価な割にプアな性能)の」の域を出なかった。それがアプリケーションの流通、新しいコンピューティング、OS製品の価値軸など多くの面でテクノロジー製品の地層を変革してしまった。そう、本質的な強さを内在した製品は「新しい生活スタイルをもたらし」「エコシステムを大きく書き換える契機になり」「それ以前と以後で異なる価値軸」をもたらす。

f:id:roadracer:20110329132030j:plain Pinterest

多くのイノベーティブな製品は多くの場合登場の時点ではその本物の革新性や価値観は理解されない。FacebookはMySpaceの対抗場としてはニッチすぎる存在だったし、Twitterは広く普及したY!やMSのInstant Messangerとの比較で強味よりは弱みの方が際立っていた(不安定で反応も低速、セキュリティ面も脆弱)。それが今では様々な面で大きな影響を及ぼしている。Facebookは人間関係を軸にしたエコシステムをワールドワイドに形成したし、Twitterを抜きにした情報流通はもはや考え辛くなっている。

最近の例で言うとFouesquareの健闘などそれに近い色合いを帯びているし、もしかするとLINEやKakaoTalkもそういった存在になるのかも知れない。個人的にはPinterestとSquareにもそういう息吹を感じる。簡潔で、ユニークで、気が利いていて、過去の遺産との明快な差別化はまだ見えないのだが、一方で多くのポテンシャルを秘めた存在。だれも未来の事は分からないが、それが完璧にブレイクした後は「だから言ったでしょう!」と勝ち誇った様に解決したがる(傾向がある..)。

f:id:roadracer:20120226183501j:plain FANCY

Pinterestがユニークなのは「個人のインタレストをシェアする」と言うソーシャルブックマーキングDiggやStumbleUponはいまだに大きなトラフィックを稼ぎ続けている)やTumblrが最も円滑に実現していたビジュアルなイメージ共有の経験価値(Tumblrはブログインフラとしては最大勢力になってしまった)をもっと大衆化し、よりカジュアルな、普通のウェブユーザーでも活発に楽しめるインターフェイスにしてしまったことだ。

しかも初期からウェブマーケティングのツールとしての有用性やスポンサードの商用利用にもかなり適合した使われ方を実現している(Tumblrがこういう領域で評価を獲得したのはごく最近の事だ)。Pinterestが個人のインタレストやテイストを非常に簡潔で楽しい体験性を通じてどんどん入力出来るフロントエンドになりつつある現状のその先には、PinあるいはRe-Pinされることで可視化される=検索可能になる新しい情報ネットワークが待っている。Google誕生10年目がFacebookの大きな飛躍の時期に合致しているのだけど、Pinterest飛躍のタイミングは偶然にもFacebook上場の年と一致している。

f:id:roadracer:20120226183546j:plain Square App

自分の視野の中ではFoursquareのCheck-Inが明らかにするローカルインタレストと、Pinterestがre-Pinしていっているテイストインタレストとは、全く同じ様に現実世界のクリッピングと見える。そして、ジャックドーシーがSquareで展開しようとしているリアルコマース的な仕組み(あれはO2Oの決済インフラとしてスタンダードを狙っている様に見えて仕方が無い..)は、それらの現実世界クリッピングをマネタイズする際の恰好のパイプラインになるのでは?と予感している。

つまり、いままでのWebがずっと提供をし続けていたE-Commerceのメカニズム/商圏は、現実世界クリッピングおよびそのマネタイゼーションを通じていよいよ現実世界に於ける購買行動を書き換えようとしている様に見える。僕に取って本質的に「強い製品」とは、そういった現実世界の人間行動を書き換えられる様な情報インフラになれる製品だ。

ウェブがバーチャルなコマースのToolだった時代から、それ自体リアルな購買行動のインフラへと変貌を遂げる。それを担って行ける製品こそが、ソーシャルウェブの次の時代をドライブして行く凄い製品になるのではないか?Pinterestの躍進にはその幕開けの息吹を強く感じる。今後Flipboardなどに代表されるソーシャルマガジンはそうった消費動向を喚起する存在として(新時代の消費者向けメディアとして)進化して行くだろう。

f:id:roadracer:20120226183607p:plain Flipboard

 というブログを投稿したその日にSquareの躍進が記事になってました(そしてStumbleUponも)。

Merchants Accepting Square's Card Case Doubles In Four Months To 40,000 http://techcrunch.com/2012/02/26/merchants-accepting-squares-card-case-doubles-in-four-months-to-40000/ via @techcrunch

 "ソーシャルグラフとインタレストグラフを合わせて「発見」を提供するStumbleUpon:デジタルでできていないことは需要喚起"

http://post.ly/5bevj via @Capote