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以心伝心記

Technology is anything that wasn’t around when you were born.

頓智流プレゼンテーション禅(修正版)

今年6月のIVS 2011 Spring(札幌)の"シリコンバレー"パネルで発表したのは、「domo」アプリをローンチしたLaunch Conferenceでのプレゼン(今年2月)の模様を録画したビデオでした。

Domo: The one Launch presentation you must watch (video) | VentureBeat

たった4分のプレゼンテーションとは言え、都合三回にわたって書き直したスクリプト。200回以上トレーニングして本当に魂を込めたピッチでした。

パネルディッカッションでは余り詳しく触れる事が出来なかったので、このVersion 4(ここに至るまでは本当に大変でした)のプレゼンスクリプトに仕込んだメカニズムを詳しく説明してみようと思います。

一見ぶっつけ本番の様に見えるプレゼンなのですが、案外(笑)しっかりと時間を掛けてプレゼンテーションの効果を最大化するための工夫を盛り込んでいます(盛り込むと言うよりは、練り上げるとか磨き上げるって感じかも知れません)。

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1)ストーリーを作る。しかもできるだけジブンゴトにしてもらう。

このプレゼンは"LAUNCH CONFERENCE IS GREAT! BUT SOMETHING IS WRONG... "というイントロから始まります。「これだけスゴイ連中が勢揃いしている。なのに(物理制約のせいで)簡単にコネクトし合えない。これじゃあ世界を変えられないじゃないか(泣)!」っていう問題提起をとにかく熱く投げかけるのがプレゼンの入り口になります。ここでは、その訴えをとにかく切実に受け止めてもらうことがなにより大切です。

3分ほど後、プレゼンの終わりには「コネクトできて良かった!」「(その場でお互いが簡単に繋がり合える事で)ようやく僕達は世界を変えられるんだ!」というエンディングが待ち構えているのですが、その出口に向けて走り抜ける為には、痛烈に問題意識をシェアしてもらうための伏線を貼る必要があります。(Launch ConferenceはTechCrunch Disruptと同じフォーマットの起業家バトル大会です)世界を変えるテクノロジーを求めて集っているオーディエンスに向けて心を込めて語りかけます。

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2)ビッグピクチャーを示す。しかも具体的な比較をしてもらう。

世の中ソーシャルなツールはたくさんありますし、当然普段から思い切り使っている人たち(約二千人近くのアントレプレナーを相手にしていることをイメージしてみて下さいね)を相手に話している訳ですから「別にコネクトするのは簡単な事で、既に解決済みじゃないか?」と思われてしまう可能性が高い筈ですね。そして、それではストーリーが力強く動いて行きません。

そこで「フェイスブックではその場でコネクトなんか出来ないよね」「フォースクエアでメイヤーになっても、まるで意味が無いよね」など、具体的なリファレンスを示します(USELESS!!を連呼します)。そして、それを通じて「現実空間でのエンカウンターって、ソーシャルなアプリケーションとして実は大きなニッチじゃないのか?」という少し大きめの見取り図/俯瞰を共有してもらいます。つまり、単に大風呂敷を拡げるだけでなく、既存のサービスが現実空間では余り役に立ってないんじゃないか?と言う対比構造を浮き彫りにすることでリアリティが伝わるのです。

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3)ピークを作る。心に残る言葉を持って帰ってもらう。

問題提起をし、(既にあるツールでは解決不能な)困難を示した後は大団円に向けて疾走します。つまりdomoでお互いがコネクトしてようやく世界を変えられるんだ!という実感を感覚的に伝達出来るプレゼンテーションで締めくくります。ここでは、アプリケーションの操作感覚を「ブン!」と擬音でインパクトを持って伝える事によって、簡単には忘れられない記憶を刻み込みます。この「ブン!」という掛け声は、あのスティーブジョブズもプレゼンで多用する印象深い擬音ですね(彼のビデオをぜひ見直してみて下さい)。

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実はこんなに受けるとは思っていなかったのですが、プレゼン後のサンフランシスコだけでなく、その少し後に開催された SXSW 2011(テキサス・オースティン)でもしょっちゅう「ブン!ブン!」挨拶をされるほどに広がりました。しまいには「Hey! Boom Guy!」と声をかけてもらえるほどに記憶に残っていたファンもいた位です。

このケースはプレゼンテーターの想定を越えて巧く伝わったケースですが、逆にインパクトがあり過ぎてアプリの名称は「domo」よりも「boom」の方がいいんじゃないか?と多くの方々からご指摘いただきました。流石にそこまで受けてしまうと若干「!?」な感じもしますが、小さくまとまるよりは断然良かったのではないかと思います。以上が、僕なりのプレゼンテーション禅です。少しでもお役立て頂けると幸いです。

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下にdomoのスクリプトを記しておきます。基本的に中学生程度の簡単なフレーズで構成されています。逆に難しい(使い慣れない言葉を促成で使っても、なかなか心がこもりませんし相手に対して響きません)

 

LAUNCH CONFERENCE IS GREAT!

 

BUT SOMETHING IS WRONG...

 

IT IS TOO DIFFICULT TO CONNECT WITH OTHERS!

 

IT TAKES TOO MUCH TIME!

 

THERE ARE SO MANY GREAT PEOPLE HERE!

 

GREAT IDEA!

 

GREAT TECHNOLOGY!!

 

WE CAN CHANGE THE WORLD!

 

WE NEED TO CONNECT!

 

I WANT TO CONNECT TO YOU! YOU! YOU!

 

I DO NOT GOOGLE SEARCH TO CONNECT!

 

USELESS!

 

FACEBOOK PLACES SHOW FACE ICON!

 

USELESS!

 

FOURSQUARE MAKE ME MAYOR!

 

USELESS!

 

WE BRING DOMO!

 

TOKYO BRING REAL FUTURE TO YOU!

 

I START DOMO NOW.

 

DOMO SHOW PEOPLE, HERE AND NOW!

 

DOMO SHOW INTERESTS, HERE AND NOW!

 

YOU AND ME, MATCH!

 

WHO GOES SOUTH BY SOUTHWEST? RAISE YOUR HAND!

 

WHO IS STANFORD? RAISE YOUR HAND!

 

WHO LIKE SOCIAL NETWORK MOVIE? RAISE YOUR HAND!

 

DOMO SHOWS THAT! VERY EASY!

 

I FIND YOU!

 

I SEND "DOMO" TO YOU!

 

BOOM!!!

 

YOU RECEIVE NOTIFICATION!

 

YOU SEND DOMO BACK!

 

BOOM!!!

 

WE JUST CONNECT!

 

IT TAKES ONLY 10 SECONDS!

 

THAT IS ALL! REALLY SIMPLE.

 

WE CONNECT! WE CAN CHANGE THE WORLD TOGETHER!

 

WORLD BECOME "LOVE AND PEACE"!

 

DOMO ARIGATO!

 

THANK YOU!

 

頓智・のリアルタイム・ソーシャルアプリ、DOMO、 SXSW でデモへ