以心伝心記

Technology is anything that wasn’t around when you were born.

僕らは物語のある世界に生きている。

子供時代に物語を大いに吸収することがいかに大切か?


宗教もビジネスもサイエンスも哲学も社会通念も革命も交渉も旅行もデートも起業も、結局帰着するのは「物語」あるいは「物語構造に則った人の心の変化」ではないか?


子供時代にオズの魔法使いや黒馬物語やロビンソンクルーソー竹取物語やモモや長くつ下のピッピや三銃士や神曲オデュッセイアや三島や谷崎や川端や村上やガンダムエヴァやアキラや攻殻ドラゴンボールやナルトやケロロ星の王子さま赤毛のアンムーミンドリトル先生月世界旅行やコンチキ号や千夜一夜アーサー王やホームズやらなんやらを思い切り色眼鏡なく読んでおく体験は本当に得難い。


時間軸と空間軸で物語の多様な時空世界を把握認識してそれをある種の道具として脳内に蓄えおくことの効果効用はとても大きい。

それがビジネスのテンプレートにもなれば、様々な宗教観念や哲学倫理や美意識や経済や広告やシステム開発やデザインや起業等々の物語や歴史を語るツールにもなる。そう考えると20代で松岡正剛さんから薫陶を受けた物語学の概念はとても意味があるものだったと改めて思う。


世界を旅して人と会う際、向こうが日本文学を熟知していたりするとやたらに嬉しいのと同じで、僕らが相手の持つ文学的素養を会得していると本質的な深みやリアリティとしてお互い分かり合える。そういう意味では、語学や論理の学習以前に物語を学ぶ子供時代は実に大切で価値があると思うのだ。

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ソフトをハードにする。

今週はベイビーがぐいぐい先に進みつつある。

今まで地道にクラウドやアプリでやっていたことがじわじわハードウェアになろうとしている。ハードウェアが動くと刺激反応のサイクルとか、触ることによる愛着や驚きがもっとリアルに感じられて実に面白い。

そして改めてベイビーという命名に至った、もっとも最初期のイメージや感動が蘇ってきた。とっても高度な人工知能機能のもっと手前に、より愛情を注げる(かも知れない)可愛らしい、純粋無垢な生命体のビジョンが存在していたことがフラッシュバックする。

なにはともあれ、そういった原点のイマジネーションを純粋培養する部分がない限り、だいたいはビジネスロジックやテクノロジーの開発に引っ張られてしまい、オリジナリティや本来的な面白さやワクワクドキドキが無くなっていく。

それでは自分たちしか作れない製品や製品文化は成り立たないだろう。だからいつでもどこでも初心に虚心坦懐に戻るっていうのは大切だと思う。回答は、いつでも最初期の初心や囚われのない直観のなかにあるような気がする。

そういうことを忘れずに、気がついたら逐次言葉にしてチームで共有する。そういう繰り返ししか無いと思うのだ。馬鹿げたことや誰も振り返らないようなこと。そういった固有の価値軸に立ち戻らないと本当にユニークなものは形にならないし、世の中に届けられない。

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失敗オープンソース

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たまには没になった製品案など。

頓智社の時代にサンフランシスコ滞在しながら(まだ、UberInstagram がドスタートアップだった時代です)開発していたdomoですが、商標などの問題があってあえなく打ち切りになりました。が、その後継製品として企画試作していたのがPnPという名前のアプリでした。

サイズの小さい写真を最高の速度で撮影し(ハックすれば撮影行為って高速化できるのです)それをGameKitのワイファイ&ブルートゥースによるPtoP通信で高速共有しようという「写真の瞬間的共有で究極のソーシャル・シェアリングを行う=その時の気分やその場のムードを即時にシェアできるアプリ」をやってみようというアイデアでした。

その後諸般の事情で頓挫するのですが、いまだにフェイスブックページが生き残っていて案外アクセスもあるんですよね。なんとなく過去のアーカイブを整理していると当時の企画書が見つかったので、実に稚拙ではありますが、恥を忍んで共有しますね。

 

試作までこぎつけてユーザーテストを継続していたのですが、もっともっと追い込むことが出来たなあ!と、いう後悔が未だにあったりします。そういう意味では、盲目的な猪突猛進が不足していたのかも知れません。大げさに言えば、写真撮影と共有を再発明したかった!けど、それを完遂する突破力がまったく足りなかったと反省しています。

 

表題:Public Image Limited "公共的視野共有社" 我々は世界の目になる。
July 22, 2011 at 8:15pm

ビジョン:パブリックイメージ社/世界中の人々が目になる。世界中の人々が目を共有する。

ミッション:世界を可視化する。現実を切り取り、共有し"アクティブに可視化する"のが我々のミッションです。

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事業展開:現実空間の可視化を通じた o2o ビジネス。よりリアルタイムにリアルワールドの商流を創出し、発展させる。
競争戦略:ムードや気分を"イメージを通じて"シェアするフロントエンドに立ち続ける/使い勝手が良いこと/快適な体験性があること/継続的なブランド浸透

初期人員:サーバーエンジニア1名/アプリエンジニア1名 製品デザインとプロデュースおよびマーケティングは井口が担当する(最初は三名で良い)
展開スケジュール:初期プロトタイピング/ベータステージ(ここまでで半年ほど)/製品リリース/アップデート/ビジネスソリューションの導入ステージ(ここまでで2年)

必要な金額(2年分):3,800万円
初期プロトタイピングからベータステージまで:200万円
それ以降:200万円×1年6ヶ月=3,600万円(ビジネスソリューション導入の手前/到達目標のインジケータをどうするか?DLが基本指標等)
インジケーター(仮説段階):初期ローンチから3ヶ月以内に10万DL突破が、一定の成功目安?最初のリリースから1年間で100万DL程度があれば商用化に向けたディール/サービスの企画・開発が現実味を帯びる。トータル2年を目処
競合対象TwitterFacebookInstagram、Path、Daily Booth、Picassa(ツイッターフェイスブックは利用をすべき下層レイヤー/自社サービスならではの利用レイヤーを取るべき=クィックシェア/ムードシェア)
各プレイヤーの現状ステイタス/強み・弱み/トレンドの推移/市場変化とそれに応じた機会の発見/スマートフォンとソーシャル共有のその先を捉える(大枠の進展・浸透/差別化シナリオ案が必要)
直近のタスクドメイン取得/ウェブページ制作/会社登記/プログラマー・アカウントの取得/事業プランの策定

最初のアプリ:ピークンポーク Peek 'n' Poke sounds like Rock'n Roll in Digital Age.

PeekPoke Snap Picture and Share Quick, Imaging Reality App for iPhone
写真の瞬間共有ツイッター/現実をコンテキスト化するための視覚イメージ入力ツール
画像サイズ: 120四方/240四方/360四方(240pix 標準品質で約16KB程度)
撮影毎にiPhoneのアプリ内にウォールが出来て、そこに写真のタイムラインが生成される/FB&TWへは適宜uploadが出来る。
現実世界でのトレンディングが可視化される/リアルな空間でのインタレストや行動が可視化される、 シェア出来る様になる。
瞬間的にその場その時のムードやイメージをスキャンしてシェア出来る、高速写真共有アプリ/どのタイミングでシェアをするのか?シェア方法は?など、より具体的に決定する必要あり。

Public Image Limited Vision
Public Image limited Global × Image × Share 世界中の誰もがその時の気分を、イメージを通じて、ダイナミックに、共有することができます。つまり"視覚を通じてスケスケ社会を創造発展する"事がパブリックイメージリミテッドの使命です。
現実世界を切り取って、多くの人たちがその場その時のフィーリングをリアルタイムにイメージ共有出来る世界を創ろう!
e.x. "Google+ プロジェクトは、現実の世界と同じような情報の共有をウェブ上で実現します。"

Peek 'n' Poke sounds like Rock'n Roll in Digital Age. 情報のサイズを小さくする事で流通量を増やす。タグを付与する事で機械的なシェアを可能にする。PtoPの実空間写真共有を企画検討する。GameKitでの試作。


Peek機能:イメージを覗く(ミニマムサイズの写真を閲覧する/ PEEK SET)
Poke機能:イメージを書き込む(ミニマムサイズの写真を投稿する/ POKE SET)
重要ポイント:書き込みの速さ/読み込みの速さ/ローカル保存を必要に応じてウェブでシェアする機能/フォトシェアはフェイスブックツイッターを介して(サーバー・サイドのスケーリング/稼働安定性などは現状未知数)
基本機能:撮影/保存/投稿/検索/閲覧/撮影データの個人によるクイックな保存と確認/撮影データのメタ情報に基づいたクイックなサーチと閲覧/ハッシュ&ユーザーID&タイムスタンプ(&Location&Like/Twtte&Comment)
利用ケース:どういうイメージをどういうタイミングでどういう意図で保存(共有)し、どういうイメージをどういうタイミングでどういう意図でサーチ(ブラウズ)したくなるのか?ソーシャルユースケースとしての利用場面(シナリオ)

 

以上、実に荒削りではありますが今読んでも案外イメージややるべきことは明確だったのだなあ!と。

ちなみに最終的に没になったとはいえ試作はすばらしく、撮影プロセスが超高速なだけでなく無手順でその場で写真がシェアできるのは楽しかったです(近くの人のiPhoneの写真がいくらでも共有できるという野蛮な仕様。考えてみれば保存できないとか、時限で消滅するなどのアイデアに到達していればもっと面白くなったでしょう)。

 

その後インスタグラムも大ヒットして、スナップチャットでイメージを主軸にしたコミュニケーションやシェアはものすごく大きなポテンシャルが有ったことが実証されたのですが、ソーシャルゲーム主流の投資トレンドだった当時、このアイデアはまったく受けずに苦労しました。

ただ、なにかインスピレーションを受けて確信し実現しようと思ったことは、その価値のコアを諦めずにひたすら試行錯誤を続けて現状突破しなくてはならないな!と、言うことです。それは今進めているクラウドベイビーでもそうですし、どんな新規性のあるアイデアでも同じじゃないか?と思います。

勇気を持って純粋な思いを叶えることでしか新しいものは生み出せません。それを信じて限界を超えられるのは、まさにスタートアップの本当の醍醐味です。

 

あ!あと、製品名はセックスピストルズジョン・ライドンが結成したPublicImageLtd.から来てます。っていうか、そのまんまです!

 

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プロダクトで闘う。世界的イベントをどうやって突破口にするのか?

最近、プレゼンテーションやプロモーションについて、かなり突っ込んだ相談を持ち込まれることが以前にも増して増えました。

特に北米市場でローンチするにあたってどうすれば良いのか?これは世界市場を目指す意欲的な起業家にとっては永遠に回答のない問いかけですし、それも一朝一夕には解決できない難事なので深い悩みのタネになって当然です。

 

自分自身、過去に様々なプロダクトとスタートアップで挑戦をしてきました。今もドキドキで挑戦をし続けています。もちろん、まだ回答らしい回答はありません。それこそ日々悩みながら進んでいます。

そして、自分の場合は製品を空気に触れさせる。多くの人に関心を持ってもらい触ってもらい、共にその製品がもたらす世界観を実現するべく働きかけるのが持ち味のようです。

そのなかでもテッククランチ、SXSW、TEDは、自分自身のなかで大きな意味を持っています。年末の特別番組で取り上げられ(冒頭でTEDx Kyoroが登場していましたし、SXSWでの資金集めの様子も取材されていました)それらの発表機会についていろいろご質問いただくことも多いので、ちょっと振り返ってまとめてみました。

 

テッククランチはセカイカメラでデビューして以降、自分にとってはとても大きな意味を持つイベントであり続けています。北米では、ニューヨークとサンフランシスコで年二回開催されています。最近はハードウェアメイカーがそれらの技術を競うハッカソンも行われていますし、そこからユニークな企業が登場することも増えています。以前はTC50でしたが、今はTechCruch Disruptという呼び名にかわっています。

 

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 TechCrunch 50

http://jp.techcrunch.com/2008/09/10/20080909techcrunch50-tonchidot/

 

TechCrunch 50 2008 ( Sekai Camera )

https://www.youtube.com/watch?v=HbcO46ELZ7A

 

ローンチフェスはテッククランチからのスピンアウトなのですが、僕は過去にdomoという(リアル世界での出会いを支援する)アプリで登壇しています。

来年も3月に開催されるようです。今年はSonyのMESHチームと出展しました。ジェイソンカルカニスという著名な起業家・投資家がリードする非常にアクティブなイベントでありメディアがローンチです。

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LAUNCH CONFERENCE ( demo )

https://www.youtube.com/watch?v=3RhjBJ4CUJQ

 

SXSWは、以前domoアプリとテレパシーワン(2012年当時にグーグルグラスの対抗馬だったウェアラブルデバイス)で過去に参加してきています。来年で僕自身参加して6年目なのですが、5年目の今年も参加しました。

これは世界でも最大規模のテックイベント(テックだけでなく、フィルムや音楽のイベントでもあります)で、スタートアップ向けのアワードや出展イベントも同時開催されています。

 

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SXSW Interactiveとは?

http://wired.jp/2012/05/21/sxsw-event/

 

下は、TEDで行ったテレパシーワンのプレゼンテーションです。今度はぜひドキドキのプロダクトでスピーチをしたいと思っています。素晴らしいスピーカー達との共演が、最高にエキサイティングです。

もともとはTED本家から派生したスピーチイベントですが、特に国内でもTokyoとKyotoが規模・内容ともに素晴らしく世界的に見ても見劣りのしないものになっていると思います。スピーカーは公募もされますし通常のテック系イベントとは大きく異るカルチャーを感じ取れるのは魅力です。

 

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TEDx Kyoto 2014 ( Telepathy One )

https://www.youtube.com/watch?v=HrG8UZjL5E8

 

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2013 TEDx Kyoto

 

いつかこれらの発表機会の攻め方活かし方についてまとめられると良いなあと思うのですが、僕の場合は今進めているベイビーをどう生み出すのか?にまずは集中すべき時とも思いますので、何かお聞きになりたいことがあったらツイッターフェイスブックでお尋ねになって下さい。

 

 

ユッキィさんのドキドキ日記連載開始しました。そしてベイビー最初のプレスリリースを発信ですよ。

サンフランシスコは一年でもかなり寒いシーズン、日中はともかく朝夕はかなり冷え込みますし薄着では辛い毎日です。が、ドキドキチームは日々ベイビーの開発に集中しております。その日々をお伝えするべく、ドキドキを支える屋台骨とも言えるリアライザーのユッキィさんがドキドキ日記の掲載を開始しました!

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そして、まだまだ何もないドキドキではありますが、無いなりに必死に頑張って提供しているSDKの提供とエンジェルラウンドの投資完了に関してのプレスリリースを発信しました。今後もっと成長してベイビーの活躍をお伝えできるようますます開発に邁進します!暖かい目で見守って下さい。

medium.com

今まではファウンダーの井口が一人語ってきたドキドキのストーリーでしたが、今後はメンバーや関係者の発信も増やしたいなあと思っています。ドキドキとベイビーの記事は下記のまとめコーナーでやっていきますのでご期待ください。はいはい歩きもままならないドキドキとベイビーなのですが精一杯頑張りますよ!

www.facebook.com

 

サンキュー、ベイビー(SDKへの応募)!あっという間に一杯になりました。

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Baby SDKの初回配布、あっという間に一杯になりました。
こんな何もできない赤ちゃん以前のSDKにご応募ありがとうございます。チーム一同、ますますがんばって、本当に良い物にしますので、引き続きよろしくお願いします!
ベイビーのクラウドがなにしろ超非力なので、今はまだこんな規模(10名様限定!)でのご提供なのですが、またバージョンアップを繰り返す中で環境もスケールアップしていきますので、お楽しみに!!

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「ディープラーニングを小学生でも使えるようにしてみる」がすばらしい。

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八谷さんのツイートで知って感動しました!「ディープラーニングを小学生でも使えるようにしてみる」、すばらしい!これはものすごく可能性があると思います。

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なんというかディープラーニングが開けた小さな覗き穴は、本質的にものすごく大きな進化の窓を開いたと思います。

なんというか僕はプログラミングという仕事そのものが余り大きく変わることはないとたかをくくっていました。つまり「精神」というものが存在しない機械的知性にいくらやらせても自ずとしれているだろうという捉え方でした(ルールベースをいくら鍛えてもそれは教えられた枠組みの演繹に過ぎない)。

ですが、ディープラーニングが示している兆候は、志向性とか能動性みたいなものまで機械的知性に取り組めるという可能性です。それはプログラミング行為そのものを機械化する、あるいはプログラミング以前の何を表現するのか?のイメージを描き出すところまで機械に取り込める可能性です(今はそこまでは成長していませんが)。

ですので、清水さんのやられているような動きは、そんな未来像をいち早く体験することのできる素晴らしい動きだと思うのですよ。うーん、これがこの先どうなるか楽しみです。

 

で、まだ全然ディープでもラーニングでもないベイビーですが、本当に「卵」って感じのシンプルなSDKを提供開始します。10名様限定でひとまず開始します。我こそは!と言う方はリクエストしてくださいね。

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